きりんさんの話。

ゆうこさんとニシノさん

ああどうも。わたしはきりんと言います。

お見苦しいところを見せてしまって。。。申し訳ない。

 

さっきのは、彼女のごりらちゃん、ていうんですが、最近全くいうことを聞かなくてね。

なんか、外で、誰かに会う、とか、ミーティングする、とかなんやかんやで。

家のこともないがしろなんですよ。

家のことっていうか私のことないがしろなんですよ。同棲してるんですがね、

ご飯を食べてても、スマホばっかり。誰かとずーーっとやり取りしてて。

男ではないみたいなんだけど。私が話しかけてもぜ〜んぜん聞いてないんですよ。

そもそもそのご飯だって、私が作ってるんですけどもね、最近は。

自由に、自分らしく生きるって、男は相当難しいですよね。

すごくハードルが高い。もう変人じゃないとむりだよね。

こんなに相手のことを想って、頑張ってる。。

どうやったらわかってくれるのかな。

 

 

ここで、いい香りのする湯気とともに、パンケーキが運ばれてきました。

それと同時に、

 

カランコロンカラーン

 

ゆうこさんが、キョロキョロしながら入ってきたのでした。

 

「あ!ニシノさんやっぱりいた!まぁとらくん久しぶり!うさぎさんとはどう?」

 

ゆうこさんは、喫茶店付近を歩いている時に、パンケーキの香りがしたので、

もしかしてニシノさんが注文したのではないかと、

入ってきたのでした。

 

ゆうこさんは、先ほどのメンズたちの一連の話の要約を、

マスターが持ってきてくれたコーヒーとクッキーを食べながら

興味深く聞きました。

(ゆうこさんはマスターのお気に入りのため、いつも何かしらのおやつがサービスされるのでした。)

 

 

ゆ:女子って男性を支えたいって思ってるんだけど、

どうやって支えたらいいのか、意外とわかってないんだよね。

 

き:そのままの言葉が欲しい。恥ずかしいからそんなこと絶対に言えないけど、

「支えたい、どうしたらあなたのためになれるんだろう?」って

聞いてほしい。

 

ゆ:でもさー、みんな支えたいって思ってるよね。

 

き:でも、「どうして欲しいの?」て上から目線で言われたら腹たつんです。

 

ゆ:どうしてほしいのじゃないよね!

それは、あなたがちゃんと説明しないからだ、っていう責める気持ちが入ってる。

マウンティングだねw

分からないから教えてほしい、知りたい。どうしたらいいんですかって。

まず自分の気持ちを伝えることが大事。

なにか私にできることとかあったらって思ってるんですけどって。

 

き:かなり、世の中がきゅうきゅうなってる中で、

女性って女神だから、女神に頼りたいのに。

家に帰ってきたら癒して欲しいんです。癒す存在が女性なんです。

戦場から帰ってきたら癒して欲しい。

 

私は医療現場にいるものなのですが、今、この状況で、現場は戦場なんです。

 

ゆ:男の人ってある意味選択肢がないよね。というか、

そういうふうに思わされる環境にあるから、

そこに対しての女性からの配慮はいるよね。

分かってほしい!褒めてほしい、てことだよね。お互いにね。

 

き:ただ、愛してほしい。かわいがってほしい。子犬をかわいがるみたいに。

 

ゆ:でもありがとう。

今、こんな大変な状況の中で、みんなのために病院で働いてくださって。

 

 

ゆうこさんの労いの言葉に、きりんさんは心緩んで、

思いっきりパンケーキをほおばりました。

 

 

とらくんとニシノさんはウンウン、と二人のやりとりにうなづきながらも、

自分のパートナーは可愛い人でよかったなぁと

内心思って、

また目配せを交わすのでした。

 

 

そんな四人の様子を横目に、

 

マスターはふふふと笑いながら、

 

次のレコードを選びにかかりました。

 

 

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