ゆうこさんは、家への帰り道を急ぎます。
みんな、待ってる。
私のこと、待ってる。
そう思うと、胸がいっぱいになって、涙がこみ上げて来ました。
みんな、いろんなところで
いろんなことを思い、
いろんな問題を抱えながら、
いきている。
たとえ死んでいたとしても
いきている。
お互いがお互いの支えになって
話を聞いて
共感して、
励ましあって
いきていくことができるんだな。
すごい。
それって、
どれだけ素晴らしいことかな。
そんなことを考えているうちに、家へとたどり着きました。
家の中は当然といえば当然ですが、真っ暗でした。
鍵を回し、誰もいないとわかってはいながらも、
コンコンココーン!
と、いつもの合図をして、
中に入りました。
リビングに入ると、やはりそこは真っ暗でした。
しかし
その暗闇の中から、
「おかえり、ゆうこさん。」
と、懐かしく、
暖かい、
声がしました。
ニシノさんが、ゆうこさんの帰りを待っていました。
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