ドタンバタン!
なにやら、下のかいでうるさい音がする。
たぶん、うさぎさんがまたなんか変なことやってるんだろう。
とらさんは、そう思いながら、下のかいへ降りていきました。
ここは、とある歴史ある街のはずれに立つ、シェアハウス。
そこに住むうさぎさんととらさんは、付かず離れずの距離感ではありますが、
とても仲良し。
「うさぎさん、朝からなにやってるの。」
とらさんは、うさぎさんに声をかけました。
とらさん、グッモーニン!!
いやー今はね、体操をしているんだよ。
私は、体があんまり強くないからね!今、すごくいいトレーナーの先生に、みてもらってるんだ!
もっともっと運動して、いいもの食べて、とらくんみたいに、おっきくなる!
みててよー!!!
うさぎさんは、えらく張り切っています。
とらさんは
(そんなことしなくても、今の体型が可愛いし、別に病気もしないし、何かあったら、俺が守ってあげるからそんなことしなくてもいいのになぁ)
と思いましたが、なにも言わず、コーヒーを二人ぶん入れて、ソファーに座りながらうさぎさんのドタバタを見学していました。
うさぎさんは、最初は張り切って笑顔でしたが、だんだん青白い顔になって来て、しんどそうになって来ました。
とらさんは、入れておいたコーヒーをすすめ、一緒に休憩をすることにしました。
★
うさぎさん、うさぎさんの頑張りは認めるけど、
そもそもなんでそんなこと始めようと思ったの???
「いやーあのね!このまんまじゃ、長生きできないよー!てアドバイスもらったんだよ。
私って、サラダしか食べないし、そのくせにお酒はめちゃくちゃ飲むしw
筋肉量がなくて、肌も白くて、もっと日にも当たった方がいいって言われてるんだ!
でも、この間日光浴をしようと思って頑張って日向にいてたら、目が充血して大変なことになっちゃった。私って弱いよね。
なんとかしなきゃなーあ。」
そう言って、冷蔵庫から豚の丸焼きを出して来て、オーブンであっためはじめました。
「とらさん、これ、一緒に食べよう!私はいつもなら付け合わせのおいもしか食べないけど、
お肉もしっかり食べないといけない!て言われたからね。」
とらくんは言い知れない不安感を胸に感じながら、とりあえず、うなづきました。
★
一緒に豚の丸焼きを食べたとらくんは、洗面所で、歯を磨いていました。
うさぎさんはお皿をあらっていましたが、突然、隣のトイレへと駆け込んだかと思うと、
「オェェェェェ」
と、たべたものを、もどしてしまっているようでした。
とらくんは、心配しながらも、とりあえずリビングに戻りました。
テーブルの上には、
【これで、あなたも100歳まで元気!!食生活と運動をサポート! みのむし薬局】
と書かれたチラシがあるのを発見しました。
ははん。
とらくんは、そのチラシに書かれた住所まで、行ってみることにしました。
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