今日は、冬にしては日差しが暖かく、
窓のあるソファーの部屋で、ゆうこさんは、昨日あったことをニシノさんに話しています。
「で、病院に連れていったら、もう、赤ちゃん産まれちゃう状況で!
緊急帝王切開になったの。私も抱っこさせてもらったの。可愛かったよー!!!
美子さん、ケアワーカーの人と話をしてね、シェルターを紹介してもらったみたい。
そこで、しばらく赤ちゃんと一緒に暮らすんだって。
良かったよね。あそこのシェルターは、とってもいい感じだし、他に子供たちもいてるし。
私も安心したぁ。。」
うん、ゆうこさん、昨日は大変だったね。おつかれさま。
今日は、私も何もないし、久しぶりに二人でゆっくりしよう。日向ぼっこでもしてさ。
ゆうこさんとニシノさんは、
ソファーがある部屋で、ソファーに座らず、
床の上に寝転がって、YOGIBOを抱えたり、ヨガの真似事をしたり、
ごろごろと過ごしています。
ニシノさんがうとうととうたた寝をはじめたころ、
庭で、何やら動いているのをゆうこさんは発見しました。
それは、近所に住んでいるねこたちでした。
野良もいれば、首輪をつけた、立派な飼いねこもいます。
ゆうこさんはねこが大好きなのですが、ニシノさんがねこアレルギーのため、
この家で飼うことは諦めていました。
ゆうこさんはワクワクとしながら、ねこたちの集まりを
こっそりと眺めています。
★
ねこA:
モーーーっ!!みんななんで私の言うこと聞かないの!?
このねこねこ会議は、私が議長だって、決まってるはずでしょ!
ねこB:
そんなこと言ったってさ、あーた、意見を言ってるふりして、
私はすごいのよ!てアピールしてくるばっかりで、なーんにも話が進まにゃい!
ねこA:
にゃんですって!?私はねぇ!
みんながよくなるように、一生懸命考えて、発言してるのに!
だいたいみんな、海外とか、行ったことないでしょ!
私はね、ご主人様と、アメリカから、帰ってきたの!
あっちのねこたちは、ホーーントに進んでいて、おやつだって、ボタンを押したら勝手に出てくるのよ。
ほんと、世間の狭いねこちゃんたち。私がせっかくこうして教えてあげてるのに。
ねこC:
いやぁでもさぁ、、
今解決しないといけないことは、公園でいつもおやつをくれるお姉さんに、
どうやって、誰が、お礼をするかってことでしょ?
あめりか、て僕知らないんだけど、関係ないんじゃないかにゃあ。。。
ねこCは、そう発言すると、足を開いて、股の間を舐め始めました。
ねこA:
もう!会議してる時に、そんなかっこしないで!
ねぇ、あなた!あなたはどう思ってるの?
ねこAは、白い毛に、ピンク色のリボンをした、大人しそうなねこに意見を求めました。
そのねこは、向かいのお家で飼われているねこで、名前はメルと言います。
実は、ゆうこさんとも仲良しです。
メル:
そうねぇ〜。私は、なんでもいいと思うけど。
そのお姉さんには、時々、手を舐めてあげたり、膝に乗ってあげたり、
私ができるお礼をしているよ。
お姉さん、とーーーっても喜んでくれてるよ!
ねこA:
あなた!勝手に抜け駆けしたらダメじゃないの!
はい!議論はもう一度最初から!
★
にゃおにゃおにゃお!
何やらねこたちの会議は白熱しているらしく、騒がしくなってきました。
眠っていたニシノさんも目を覚まして、
おなかが空いていることに気がつきました。
ゆうこさんと二人、近所の行きつけの居酒屋に晩御飯を食べに行こうと、
出かける準備をはじめました。
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