天気の良い立春の日。
うさぎさんは、自分の部屋で、気持ちよく伸びをしてから、
炭酸水を飲んで、半身浴に入りました。
あぁ、今日はほんとうに気持ちのよいいい日だな、と思いながら、
お風呂から上がり、体を拭いていると、突然
ピンポーーーン!!!!
と誰かがやってきました。
うさぎさんは急いで服を着て、インターホンのカメラを見ると、
そこには、髪の長い女の人が、何やら箱を持って立っていました。
なんだか、異様な雰囲気に見えたので、うさぎさんは開けることをためらいましたが、
どうも、肩を震わせて泣いているようにも見えたので、
勇気を出して返事をしました。
「私、近所に住む○○というものです。あの、私、わたし、、
こんな箱をもらったんです。でも、どうしても開けることができなくって、ちょっと、
みてもらえないかと思って、持ってきたんです。。。」
○○さんは、確か、三軒隣のお家の名前でした。
気のいい老夫婦が住んでいるのは知っていましたが、こんな人、いたっけ?
まあいい。困っているようだから、助けてあげよう。
うさぎさんは、ドアを開けました。
「すみません、突然こんなことで。。。」
うさぎさんは、にっこり笑って答えました。
いいんですよ。ところで、それは何が入っている箱なのですか?
髪の長い女の人は、うさぎさんに、その箱を渡しました。
その箱は、何やら金属でできていて、でも重くなく、ふってみると、カラカラと音がします。
そして、箱の上には、金属に直接、
『シアワセなレンアイ』
と、彫ってありました。
「どれだけひっぱっても、回しても、開かないんです。ハンマーで叩いてもビクともしないし。
それで、中身が気になって気になって、仕方がないんですぅぅぅぅ、、、。」
と、髪の長い女の人は、泣き始めました。
うさぎさんは、
泣くほどのことなんかなぁ?
(うさぎさんは、生まれた場所の関係で、時々関西弁になるのです。)
と内心思いながら、うさぎさんはその箱をいろんな角度から眺めてみることにしました。
縦に持ってはカラカラ
横に持ってはカラカラ
ふと箱の裏に小さな「でっぱり」があることに気づきました。
うさぎさんはその「でっぱり」を、なんとはなしに、爪でつまんで引っ張ってみました。
すると、
パカン!!!
と、箱の底が開いて、
バラバラバラバラ〜と、ジェリービーンズのような、色とりどりの粒が中から落ちてきて、
あたり一面に広がりました。
うさぎさんと髪の長い女の人は、
しばらく呆然とそれを眺めていました。
コメント